妊娠中のトラブルの予防と食生活

こどもの健康

妊娠中のつわりは妊娠5週目から多くは起こります。個人差はありますが、妊娠したことに伴う生理的な変化であり、妊娠中の悪阻や貧血といった症状に悩まれる方も多くいられると思います。

それらの症状と密に関係しているのが実は食生活になります。適度な水分の補給とカロリーの確保が原則となりますが、無理することなく食事を少量に分けて食べることを意識したり、栄養補助食品などを活用したりすることをおすすめします。ですが、ご自身に合うと思うものを選んでいただいけると幸いです。

さて、今回は妊娠中のトラブルについての予防と食生活についてお話をしていきたいと思います。

つわりと食生活

人によって程度に差は生じますが妊婦さんの約50〜80%につわりが認められ、多くは妊娠5〜6週頃から症状が出現し、12〜16週で症状が落ち着くと言われています。

つわりの症状

食欲不振 吐き気・嘔吐 唾液分泌亢進

※空腹時や起床時にこれらの症状が出ることが多いと言われていましたが、必ずしもそうとは限らず個人差が大きいです。

妊娠悪阻(にんしんおそ)

つわり症状が異常に強く、食べることや水分を摂取することが難しくなることで脱水や体重の減少、栄養障害が生じている状態を言います。

※この場合点滴で補液をするといった治療が必要になることがあります。

しかし、つわりそのものは正常な妊娠経過の中で生じるものであるので、特別治療を必要とするものではありません。この時期には、お腹の中の赤ちゃんもまだ小さいのでお母さんの体の栄養摂取が偏っていたり不足していたりしたとしてもお腹の中の赤ちゃんの健康に影響を与えることはないと言われています。そのため、食べたいときに(食べられるときに)食べたいものを少しずつ摂取しておくとよいと言われています。

〈例〉

  • 食欲がないときは水分の摂取だけでも心がける
  • 氷を口に含んで少しずつ水分を摂取する
  • 少しずつ、簡単に食べられるものを準備しておく

 (果物やトマトや豆腐などが食べやすいことが多い)

また、匂いが吐き気や嘔吐を促進させるためご飯の準備中に症状が出てくることがあります。そんな時は家族に食事の準備をお願いしたり、お惣菜を買ったり、外食をするというのも1つの方法です。

貧血と食生活

妊娠、お腹の中の赤ちゃん・胎盤のために鉄分の需要量は増加します。しかし、近年、成人女性の貧血が増加しているため妊娠性貧血の診断を受ける妊婦さんは少なくない状態です。

貧血及びその予防のための食事には鉄分を多く含む食事を取り込むことが大切になってきます。

鉄分を多く含む食品

  • 豚/鳥/牛レバー
  • 牛肉(モモ)
  • あさり・あさり水煮缶
  • カツオ・カツオ角煮
  • 煮干し
  • あゆ
  • さわら(焼き)
  • あかがい
  • 大豆
  • がんもどき
  • 枝豆
  • 小松菜 

等々

献立例

  • 三つ葉と豚肉の炒め物
  • 厚焼き卵
  • 味噌汁
  • 果物
  • あさりと菜の花のスパゲティ
  • 野菜サラダ
  • スープ

※食品により含まれるヘム鉄の量には差があります。

また、ヘモグロビンを生成するためには鉄分だけでなくタンパク質も必要なので十分な量のタンパク質を摂取することとも大切です。造血作用のあるビタミンB6、B12、葉酸、銅なども摂取するようにしバランスの良い食事を心がけて下さいね。

※海藻や貝類は吸収率が低いので、鉄の吸収を促進してくれる因子を含むビタミンcやお肉や魚と組み合わせて摂取すると吸収率が向上します。

まとめ

今回は妊娠生活における症状と食生活についてお話をさせていただきました。

お腹の中の赤ちゃんの分までいっぱい食べないと、と思うこともあるかもしれませんが、無理をしてたくさんの量を食べるのではなく、食べられるときに、バランスの取れた食事を無理のない範囲で食べることを心がけると良いですね。

参考文献:専門分野Ⅱ 母性看護学各論 母性看護学② 医学書院

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